不動産相続や不動産取引に伴って「不動産登記」が必要になります。所有権がご自身にあることなど権利関係を公に示すために重要な手続で、司法書士に依頼して登記申請を行うのがよくあるケースです。
ご自身で登記申請を行うことも法的に禁じられていませんが、プロである司法書士に任せた方がリスクは小さくなり、得られるメリットは大きくなります。ご自身で対応する場合と司法書士に依頼する場合を比べて、どのような違いが生じるのかをここで確認していきましょう。
司法書士は登記の専門家
司法書士は法律に精通した実務家であって、特に「登記」に特化した専門家でもあります。
不動産取引に関する契約のことや相続のこと、商業登記に関する会社設立や会社運営のことなどに詳しく、様々な法的に問題に対処することができる存在です。法律問題について、例えば裁判をするときなどには弁護士を利用するのが一般的ですが、司法書士はもう少し身近な法律トラブルへの相談や登記手続の依頼において、よく利用されています。
不動産に関する契約のこと、その後の登記手続などについて「誰に相談すれば良いのだろうか」と悩むこともあるかもしれませんが、まずは司法書士に相談することから始めると良いでしょう。
なお、不動産登記は司法書士の専門分野ではあるものの「司法書士しか登記をしてはいけない」ということではありません。不動産を取得した当事者などは代行依頼をせず、ご自身で登記手続を行うことも法律上禁じられてはいません。
そしてご自身で登記申請をすることには、「司法書士に依頼するときの費用がかからなくなる」というメリットがあります。
ただし手続でミスが起こりやすくなりますし、必要書類の取得や作成に手間と時間がかってしまうこと、取引がスムーズに進まなくなるおそれがあること、には留意しておきましょう。
司法書士に登記手続を任せるメリット
司法書士に登記手続を任せる場合、次のようなメリットが得られます。
- 登記申請の必要書類を集めてもらえる
- 不動産取引がスムーズに進められる
- 契約書の作成など付随する事務手続の相談ができる
- 手続ミスが発生するリスクが減る
ご自身で対応する場合と比較して、依頼を出すべきかどうか検討しましょう。
登記申請の必要書類を集めてもらえる
不動産の売買契約書、印鑑証明書、住民票、固定資産評価証明書、登記済権利証、その他多種多様な必要書類を集めていく必要があります。状況に応じて必要なものも変わってきますので、不備を防ぐには不動産や登記について広く知識を持っていることが大事になってきます。
また、取得すべき書類が明らかであっても、平日に役所へ行って書類の発行を請求するなど面倒な作業が避けられず、大きな労力を要することになるでしょう。司法書士に依頼しておけばこうした事務作業を代行してもらうことができ、書類準備にストレスを感じることもなくなります。
不動産取引がスムーズに進められる
不動産取引は契約金額も多額であることが多く、慎重に進めたいものです。取引における一つひとつの過程を逐一確認しながら丁寧に進めていくことも重要ですが、ここに専門家が入ることで精度を上げつつ、さらに取引をスムーズに進められるようになります。
また、当事者自身が登記を行うことは法律上禁じられていませんが、契約上これが認められないケースもあります。特に個人間の取引ではなく銀行などの事業者との取引においては、登記申請は司法書士が行うことが前提となっていることがあるのです。
「費用を浮かせるために登記は自分でする」といっても相手方が受け入れてくれず、取引を進められない可能性があることも知っておきましょう。
契約書の作成など付随する事務手続の相談ができる
司法書士ができるのは登記申請だけではありません。登記申請に関連する法律問題について相談対応をすることもでき、例えば不動産取引についての契約書作成なども依頼することが可能です。
また、不動産についての調査も依頼することができますし、何か困っていること、わからないことがあるとき、司法書士を頼れるようになります。
手続ミスが発生するリスクが減る
登記申請のミスは重大な事故につながる可能性があります。
そもそも登記制度は権利関係を公に示すための仕組みであって、例えばある不動産について自分が所有権を持っていることを主張するために登記情報が活用できます。
しかし登記申請にミスがあってその主張が正しく行えない場合、最悪の場合第三者が「この不動産は私のものだ」と主張してきて重要な財産を取られてしまう事態も起こり得ます。
こうなってしまってはわざわざ登記申請を行った意味もなくなります。不動産は、数千万円あるいはそれ以上の価値を持つ大事な財産ですので、登記についてもできるだけ慎重に取り組むべきです。
司法書士であれば業務として日常的に登記申請に対応していますので、こうしたミスが起こるリスクも小さく、依頼主としても効率的かつ効果的に登記手続へと臨むことができるでしょう。
依頼時には料金や対応の良さを要チェック
司法書士も全国に数多く存在しています。その中からご自身に合う司法書士を探すことが大切ですが、闇雲に探したのでは時間がかかりすぎてしまいます。
そこで要点を押さえて司法書士探しに取り組むようにしましょう。
チェックポイントの1つは「料金体系」です。費用の大きさにももちろん着目すべきですが、最終的な費用総額がわかりやすく親切な料金体系になっているかどうかにも着目します。複雑な料金体系が組まれている場合、予想外の費用が発生して司法書士との間でトラブルが起こる危険性もあるからです。
もう1つのチェックポイントは「対応の良さ」です。手続にかかるストレスが軽減されても、司法書士とのコミュニケーションでストレスを感じたのではメリットも半減します。気になったことがあっても気軽に相談できなくなり、せっかくの専門家を有効活用できなくなってしまいます。こうした問題を防ぐため、正式に依頼出す前によく話し合い、人としての相性が悪くないことをチェックしておくことが大事といえます。